読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

立川談四楼「恋文横町 八祥亭」(小学館文庫 2022)

渋谷の元恋文横町にある居酒屋・八祥亭の面々と訳あり落語家の八祥が、舞い込んでくる人捜しの事件を解き明かし、居酒屋に集まる人たちの人情を厚くしていく連作物語。 時代を超えた初恋、外国人労働者、離婚と親権、臓器移植…さまざまな素材・題材を織り込…

「ニューライダーズ・オブ・ザ・パープルセージ」

「ニューライダーズ・オブ・ザ・パープルセージ」を知ったのは、音楽雑誌経由でグレイトフル・デッド絡みだと思う。ジェリー・ガルシアがバンド結成に関わり、ペダル・スティールを弾くという情報を元に、彼らのファースト・アルバムレコード「N.R.P.…

ヤマザキマリ「歩きながら考える」(中公新書ラクレ 2022)

新型コロナ禍で日本に滞在せざるを得なくなった著者が、「パンデミックによって発生した新しい環境に適応し、新たな歩みを始めた私が、出会い、経験し、考えたことの記録」と〈はじめに〉に綴ったとおりの〈考えるテキスト〉。 宗教や哲学が日常にない身とし…

温かな声のケブ・モ(Keb' Mo')

ケブ・モ(Keb' Mo')を知ったのは、カナダ人の家に泊まったときに、そこのご主人からケブ・モのCD「Keb' Mo'」(1998)をプレゼントされたのがきっかけ。音楽の話しをしたせいなのか、彼のコレクションの中から渡されたもの。 CDを聴いて一発で気に…

マジック・ディック&ジェイ・ガイルズ「リトル・カー・ブルース」(1996)

元J.ガイルズ・バンドの2人が組んだ「ブルース・タイム」名義のセカンド・アルバム。マジック・ディックのブルースハープ&ボーカルとジェイ・ガイルズのギターがメイン。 ブルースハープの名手:マジック・ディックらしいリトル・ウォーターの曲を始め、…

朝倉かすみ「にぎやかな落日」(光文社 2021)

読み終えて、タイトルの収まり具合の良さと表紙の装丁のうまさに納得。主人公・おもちさんの思考そのものが表紙に写り込んでいる。 80歳代前半のおもちさんは、過去の記憶や思い出と身に降りかかっているさまざまなできごと、体の不具合の今を心の中で行き…

リチャード・マニュエル CD「ウィスパーリング・パインズ ソロ・ライブ」(2002)

亡くなる5ヶ月くらい前、1985年10月のライブ盤。 リチャード・マニュエルの歌は、ザ・バンド以降の1983年の「ザ・バンド・ウィズ・ザケイト・ブラザーズ・バンド ライブ・イン・トーキョー」でも聴けるが、このライブ盤はほとんどレヴォン・ヘル…

ポプラの紅葉

学校脇にあるポプラ並木が紅葉し、葉も落ち始めている。 行儀良く並び、まっすぐに伸びているところが気持ちよい。青空にも映える、あえて〈はえる〉。

夕景

日が沈むのがずいぶん早くなり、それとともに沈む直前の太陽の大きさとその輝きが 格別に強烈。

朝倉かすみ「ともしびマーケット」(講談社 2009)

〈あとがき〉で作者が綴っているように、連作短編小説集ではあるけれど、札幌の地域スーパー「ともしびマーケット」を介して行き交う人たちが巡り巡っての不思議な関わり・交わりをしてしまう感覚がおもしろい物語…かと。 登場人物たちが本人にも解できない…

温故知新 DVD「クロスロード・ギター・フェスティバル 2010」

久しぶりに1枚目をつまみ食いのように観る。 シェリル・クロウが、今でも聴き慣れ親しんできたブルースやソウルシンガーの名前を挙げ、当時のニューアルバム「100 Miles From Memphis」から「Long Road Home」「Our Love Is Fading」の2曲を披露。彼女をサ…

小さな白樺の並木

近くの学校脇にある白樺の小さな並木。 学校周りの樹木と言えば白樺かポプラ…実家のある小学校、中学校の周囲にもポプラの並木があったことを思い出す。 きのうの夕方、西から東の方向に3羽の白鳥が鳴きながら編隊を組んで飛んでいくのを見た。いつもより飛…

服部美法 文・絵「おふくさんの12かげつ」(大日本図書 2022)

「おふくさんシリーズ」の新作で4作目。大好きなシリーズの1つ。 いつもにこいこ笑顔で過ごしている10人のおふくさんと、何とかおふくさんたちを怖がらせようとする鬼の楽しいお話し。 季節の行に合わせておふくさんたちと鬼のかけあいが何とも楽しく、…

松重豊「空洞のなかみ」(毎日新聞出版 2020)

「サンデー毎日」連載のエッセイとコロナ禍による自宅蟄居生活中に生み出した妄想短編物語を組み合わせた1冊。 自身が〈妄想と割り切れば、勝手気儘な世界へ旅してみるのも面白いだろうなと思う…〉と後書きで書いているように、〈俳優の自分が訳の分からな…

あさのあつこ「乱鴉の空」(光文社 2022)

「弥勒シリーズ」最新作で11作目。今回は、これまでとは趣が違い、遠野屋の清之介と伊佐治親分が訳が分からぬできごとの背後にあることを追いかける。結果として同心:小暮信次郎の頭脳に泳がされ、引き寄せられる…推理小説めいた物語。 清之介と信次郎の…

1970年代のレオン・ラッセル

手持ちのレオン・ラッセルのレコードは1枚「レオン・ライブ」(1973)、CDは「レオン・ラッセル」(1989)、「レオン・ラッセル・アンド・ザ・シェルターピープル」(1995)、「レオン・ライブ(1996)、「ベスト・オブ・レオン・ラッセル」(1991)、「…

晩秋の農協牧場

久しぶりに温かな午後。散歩の途中で農協牧場を眺めると放牧中の牛の姿が見えた。 手持ちのスマートフォン・カメラでは性能が悪く、牛の姿は克明に捉えることができないが、何となくは判る…か。 イワケシュ山にあったイワケシ町営牧場時代(昭和42年6月か…

「コールド・ブラッド」

1960年代後半から70年代にかけて、「ブラス・ロック」と呼ばれたバンドがたくさんあった時代がある。 シカゴやブラッド・スエット&ティアーズ、チェイス、タワー・オブ・パワーなど。コールド・ブラッドもその流れの1つ。 コールド・ブラッドのレコ…

マイ・シューヴァル ペール・ヴァールー「唾棄すべき男」(角川書店 1976)

「マルティン・ベック」シリーズ7作目。長い期間をかけて事件の真相にたどり着くこれまでの作品とは違い、チームの中のベックとルンが2日間眠らずに犯人を割り出し、ベックは最悪の事態に陥りながらも、親友のコルベリ、性格は悪いが腕っこきのラーソンの…

夕景

散歩途中の畑で見た夕景。畑にはビートを残すのみ。

山下惣一「農の明日へ」(創森社 2021)

7月に亡くなった著者最後の作品。 氏はこの本の中で、繰り返し自分は「小農」と称し、「私が定めた百姓の定義」を述べています。 1.自分の食い扶持は自分で賄う。 2.誰にも命令されない。 3.カネと時間に縛られない。 4.他人の労働に寄生しない。 …

山口恵以子「食堂のおばちゃん12 聖夜のおでん」(ハルキ文庫 2022)

このシリーズは最初から読んでいる。姑と嫁が下町の家庭的な「はじめ食堂」を営み、さまざまな人たちが常連客となったり、ふらりと立ち寄って手頃な値段の親しみのある手料理を味わい、いろいろな人生のひとこまを見せる…おいしそうな料理を想像しながら、は…

DVD「ジョー・コッカー マッド・ドッグズ&イングリッシュメン」(2005) 

これは映画化され、高校生の時に映画館で2回観た。当時は、ライブ映像そのものが珍しく、「ウッドストック」のようなライブ満載ではなかったけれど、主役のジョー・コッカーよりも、不気味だけれどバンドばかりではなくステージ全体をコントロールしていた…

ロビン・トロワー CD「ライブ・イン・コンサート」(1992)

ロビン・トロワーを知ったのは学生時代に友人が持っていたタイトルのレコードを聴いた時。当時は、ジミ・ヘンドリックスがらみのギタリストという感覚で聴いていたと思う。 時を経てCDの存在を知り入手。解説書では1975年のヨーロッパツアーからの録音…

ロイ・ブキャナン CD「ライブ・イン・ジャパン」(2003)

ロイ・ブキャナンのことは、多分、1970年代前半の学生時代に何らかの情報を得ていた。友人のレコードを聴いていたのかもしれないし、音楽雑誌の情報だったのかも。 ただ気にしつつもお金が無かったのか、それほど身近に感じていなかったのかレコードを買…

オレンジ・カウンティ・ブラザーズ

オレンジ・カウンティ・ブラザーズを知ったのは、久保田麻琴と夕焼け学眼経由。デビュー・アルバム「オレンジ・カウンティ・ブラザーズ」(1976)はぶっ飛びの豪快かつ軽快さにあふれていた。当時は、彼らの音楽をテックスメックス風とかいっていたよう…

岡康道「夏の果て」(小学館 2013)

小田嶋隆さんとの対談集を介して著者を知り、CMプランナーとしての業績も知った次第。 対談集を読んだ後だったので、小説というよりも、長く抱え込んでいたものを文にして書き留めた著者自身への物語として読んだ。先入観が入り、良くない読み方なんだろう…