読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

温かな声のケブ・モ(Keb' Mo')

ケブ・モ(Keb' Mo')を知ったのは、カナダ人の家に泊まったときに、そこのご主人からケブ・モのCD「Keb' Mo'」(1998)をプレゼントされたのがきっかけ。音楽の話しをしたせいなのか、彼のコレクションの中から渡されたもの。

CDを聴いて一発で気に入り、その後少しずつ買い足している。今、手持ちのCDは他に、「THE DOOR」(2000)、「BIG WIDE GRIN」(2001)、「マーティン・スコセッシのブルース ケブ・モ」(2003)、「KEEP IT SIMPLE」(2004)、「LIVE&MO'」(2009)、「LIVE THAT HOT PINK BLUES ALBUM」(2016)の7枚。

ケブ・モの声は聴く人たちの心を温かくし、おだやかにする。ギターはエレクトリックでもアコースティックでも変わらず、奇をてらうことなく声と一緒に合わせるかのように心に染み入る。

ロバート・ジョンソンのようなブルースが生まれた頃の曲を今に息づく曲にして届けてくれる特異な才能…ちっとも古くなく、ごく自然に、そしてどこか温かみのある曲にしてしまう深さを感じてしまう。

ケブ・モは、年代・年齢とともにブルースを円の中心にしながら心地良い曲を生み出す輪を広げている。

スタジオ版とライブ版を区別なく作品として出しているのは、どちらもケブ・モ自身の表現という自信の表れ…そんな風に感じている。

ケブ・モは、ボニーレイットと同じように多くの幅広いミュージシャンに慕われ、尊敬を受けていることは、数多くのフェスティバルなどの映像作品で確認することができる。手持ちのDVDでは、「クロスロード・ギター・フェスティバル2010」でのステファン・グロスマンとの古典的なブルース共演、「ライトニング・イン・ア・ボトル」(2004)でのロバート・ジョンソンの曲。マリア・丸ダーの「シカゴ・ブルース・ジャム」(1994)の中でもロバート・ジョンソンの「カインド・ハーティド・ウーマン・ブルース」を再現するかのようなプレイしている。グレッグ・オールマンの「アール・マイ・フレンズ」では、グレッグ・オールマンの最新作だった「ロウ・カントリー・ブルース」からグレッグ・オールマンらしさがいっぱいの曲を披露し、渋さと敬愛を表現している。そして、原点が「セッションズ・アット・ウェスト54th」(1997)、入手がけっこう大変だった1枚。これが最初に買ったDVDで、映像でケブ・モを観た最初の作品。デビューしてそう日がたっていないにも関わらず、スタジオライブならではのアットホームな雰囲気の中で、観客を引き寄せる空気感がそなわり、当時から存在感があったことが今にしてそう思う。

CDジャケット

DVDジャケット