読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

立川談四楼「恋文横町 八祥亭」(小学館文庫 2022)

渋谷の元恋文横町にある居酒屋・八祥亭の面々と訳あり落語家の八祥が、舞い込んでくる人捜しの事件を解き明かし、居酒屋に集まる人たちの人情を厚くしていく連作物語。

時代を超えた初恋、外国人労働者、離婚と親権、臓器移植…さまざまな素材・題材を織り込みながら、〈八祥亭〉の面々(大おかみのしの、若女将の典子)の気性・気っぷの良さと訳あり八祥の腕の良さを、短編ながら起承転結をうまく転がせ、あっという間に5話を楽しく読ませる作者の手際の良さが光る。

なぜ〈八祥〉が今の姿になったのか、もう少し深掘りして欲しいことともう少しすると現場復帰の可能性が出てきたので、シリーズ化して〈?〉の部分を明かしてもらいたい…なと。

「恋文横町 八祥亭」