読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

村上雅郁・作「きみの話を聞かせてくれよ」(フレーベル館 2023)

気持ちのすれ違いや努力が報われないこと、自分自身を縛ってしまうイメージ…いろいろな心のしこりを1人の男の子がちょっかいを出すように聞き、それがしこりをほどいていくきっかけになっていく…7つのつながっていく短編がそれぞれ絡み合い、読んで深まりを感じます。

最後に、その男の子がみんなの聞き役(しこりを指摘し、ほどいていく道筋を示す役割)になったきっかけを語り、そのきっかけづくりの始まりにいた教師のモノローグとともに、〈好きに生きろ〉という読み手へのメッセージにつながっています。

「きみの話を聞かせてくれよ」