オレンジ・カウンティ・ブラザーズ
オレンジ・カウンティ・ブラザーズを知ったのは、久保田麻琴と夕焼け学眼経由。デビュー・アルバム「オレンジ・カウンティ・ブラザーズ」(1976)はぶっ飛びの豪快かつ軽快さにあふれていた。当時は、彼らの音楽をテックスメックス風とかいっていたように記憶し、メキシコあたりならこんな風かなとかアメリカ南部とメキシコの境界ではこんなのもありかなとか思いつつ、まさしくピッタリのしわがれてストレートなボーカルのうまさ、フィドルやスティールギター、カントリーっぽいギターの音色を楽しんでいた。今振り返ると、カントリーロック、ブルーグラス、古いダンス音楽などの要素も含むとてもユニークでかけがえのないバンドだったことが分かる。
ゆったりとこれからオレンジ・カウンティ・ブラザーズの世界が始まるよの挨拶代わりの「バイよー・ワルツ」から一転して軽快なでごきげんな「これこそ男たちの人生」を聴いたときには一気にかれらの音楽に引き込まれた思いでがある。ジャケットの絵が〈いかにも〉らしさを表し、これも気に入った要素だった。
残念ながら彼らのレコードはこれ1枚しか買わなかったけれど、頭のかたすみにはずっと意識があり、数年前に彼らのライブCD[ファー・イースト・スワンパーズ」を入手。解説書によると、1970年代後半の録音で1999年発売、持っているCDはその8年後の2007年。再発売だったのかも。
CCRやバディ・ホリー、ハンク・ウィリアムス、ジミー・クリフなどの曲を彼ら風のアレンジ、ホーンセクションや妹尾隆一郎のハープ、セッション風のワイルドさ…何かでひとくくりできない魅力が存分に詰まった1枚となっている。
これで1杯やればますますゴキゲン。いい時代に出会ったバンドだとつくづく感じる。
彼らの映像を見たのは、「ショーボート・カーニバル 1976 日比谷野音」のDVD(2005年)で久保田麻琴と夕焼け楽団らと共演し、ファースト・アルバムの「メキシコ野郎」が初めて。ライブで良さを発揮するバンドなんだと気づかされた。