読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

伊藤充子・作 ながしまひろみ・絵「にわか魔女のタマユラさん」(偕成社 2022)

ながしまひろみさんの柔らかで温かみのある絵が、ほほえましい物語の世界を広げています。

おかっぱ頭のタマユラさんがしている喫茶店は、ミネストローネとシフォンケーキがおいしくて評判の店。ある日、タマユラさんがヨルさんと呼んでいるお客のおばあさんが旅行に出るので、荷物を預かって欲しいと頼み込み、荷物と道具にすてきな名前を付けて、使って欲しいと告げて消えてしまいます。

タマユラさんがカバンを開けると、大きななべ、持ち手の長いほうき、鉢植えの植物、黒いネコが飛び出て…。

タマユラさんがそれぞれにステキな名前を付けると話ができるようになり、タマユラさんは〈にわか魔女〉に変身。

物語はタマユラさんがネコ、なべ、ほうき、植物たちと協力しながら、探し物・困りごとを抱えている人たち、ものたちを助けるお話。タマユラさんが出会ういろいろな動物たちもステキな名前を付けるとタマユラさんと話ができるようになり、助けるヒント役になっていきます。

物語の最後にヨルさんの秘密にたどり着き、まるく幸せに終わりますが、その終わり方がとてもステキ。

「にわか魔女のタマユラさん」