読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

なかがわちひろ・作「すてきなひとりぼっち」(のら書店 2021)

主人公のぼくが道で拾ったカメと一緒に体験する人ごみや街中での〈ひとりぼっち〉を、ぼくの視点とぼくに関わってくる人々を描写し、ぼくが感じる〈ひとりぼっちのステキさ〉がさりげなく伝わってきます。

作者はシンプルで柔らかな絵とともに、色の使い方が独特。子どもたちは、ページごとの色づかいでぼくの気持ちが分かり、デリケートな〈ひとりぼっち〉を自然と感じ取れます。

〈ひとりぼっちの冒険〉を果たしたぼくの心地を家族と共有し、作者がお話の終わりに用意した〈気持ちの良いひとりぼっち〉は、物語を読む子どもたちへのプレゼント。

表紙も〈どんなお話なんだろう?〉と見入ってしまうデザインです。

「すてきなひとりぼっち」