読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

なかがわちひろ「やまの動物病院」(徳間書店 2022)

なんとも楽しいお話。山のふもとの小さな町の外れにある動物病院のステキなお話です。

昼間は〈まちの先生〉がお医者さんの動物病院。でも患者の動物はめったにきません。

でも夜になると、同居するトラネコの〈とらまる先生〉が山やふもとの動物たちを相手に動物病院を開き、いろいろな動物がやってきます。

のんびりとした〈やまの先生〉の暮らしと〈とらまる先生〉の忙しさ、診察の対比が楽しさの一つですが、もう1組〈まちの先生〉の常連となっている患者さんと飼い主がお話をもう一段愉快にさせる役者になっています。「おおきなかぶ」のような騒動の末にある笑いと表紙の絵につながる楽しい仕掛けが微笑ましく、こういう物語に出会える幸せは宝物。

「やまの動物病院」