読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

村上康成「黄色い竜」(徳間書店 2022)

著者初の小説とのこと。〈あとがき〉で、コロナ禍で自然散策を重ねるうちに「体に沁みこんでいるザワザワを表現するための、新しい扉を開けてみたくなった」と書き始めた動機を綴っています。

子どもの頃に体験して胸の奥深くためている宝物のような思い出を物語のあちこちに散りばめています。そのために物語を書いた…そんな気がするほどエピソードがいっぱい。

絵本では言葉が足りない、とばかりにクリオ、ユウスケ2人の少年は元気いっぱい、自然の中での遊びを今の子どもたちに伝えています。今でもやろうと思えばできる!と。

お父さんとおじいちゃん2人の存在もクリオ、ユウスケ2人を後押ししてステキ。

この2人からクリオまで続いている子ども時代の豊かさが最初から最後まであふれ、

元気になれる物語はいい。東京からやってきたというユリカも自然から学ぶエピソードを豊かにしている…あれもこれもてんこ盛り。

「黄色い竜」