読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

白竜「光州City」(1981)「アジアン」(1981)「サード」(1982)

最近の散歩のBGMは白竜の初期3枚のレコード音。ファースト、セカンドLPはレコード店ではなく、通信販売で買い求めた記憶がある。

スタジオライブの一発録音、バンド全体の若さとエネルギー、今を表現したいという白竜の思いが詰まっていて、冬の寒さでも熱くなってくる。時代を生き、時代の中でしか歌えない歌詞、アジアを意識した曲がそれこそぎっしり。

音楽的な完成度よりもビートや感情、ドライブ感を重視したアルバムは、当時の白竜が丸ごと収められている…そう感じてしまう。当時、隣の国の現状を歌ったのは白竜だけだったように思う。今、入手できるのかどうか判らないけれど、いつまでも記録媒体として残り、人々の記憶に残れば…と思う。

「竜童組」の「FROM ASIA」(1990)には、天安門事件に触れた「REGGAE ON THE RIVER」のライブ音源が収められている。両者の関係の有無は判らないけれど、アジアの近い国の〈今〉を唄にする大切さを感じる。このアルバムには、「りんけんバンド」のファーストにある「出船」も収められているのが嬉しい。沖縄音階ではないけれど、りんけんバンド初期の好きな曲。

また、白竜のハイトーンな声質は彼いだけの宝物で、「パドゥドゥ」「アリランの唄」「愛する君のために」「鳳仙花」「グラウンドZERO]などのバラードや熱を込めて歌う曲はじわりと気持ちが伝わってくる。

サードアルバムは、たった1年後の作品なのに、アレンジががらりと変わり、バンドサウンドよりもアルバムとしての完成度を前面に出し、白竜の作詞・作曲・ボーカルの可能性を追い求めている。さまざまなプロがサポートした作品だということも判る。

「光州City」レコードジャケット表

「光州City」レコードジャケット裏

「アジアン」レコードジャケット表

「アジアン」レコードジャケット裏

「サード」レコードジャケット表

「サード」レコードジャケット裏