読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

ボニーレイットCD聴き返し・DVD観返し

ボニーレイットの最新CDを買い、ついでにコレクションのCD・DVDを聴き直し・観直し。

70年代からの半世紀にわたるキャリアなので、バンドサウンドや歌う曲に変化があるものの、どれも耳にするとボニーレイットそのもの。何といっても魅力的な声、若い頃よりも声の渋さが深くなっている。

70年代はすっきり聴きやすいメロディとバンドサウンドでけっこう好き。それぞれの曲のルーツが分かりやすく、「GIVE IT UP」「Takin My Time」「Sweet Forgiveness」「THE GLOW」の4枚。80年代は誰もが方向性を見つけるのが難しかった時代…確認すると「nine lives」の1枚しか持っていない。90年代は「Collection N」「LUCK of the DRAW 」「LONGING IN THE IR HEARTS」の3枚、バンドの音が豊かになり、曲も複雑で歌が主役のアルバムに。

2000年代はルーツ云々は問わず、歌いたい曲、取り上げたい曲を腕っこきのバンドでニュアンス豊かに歌う…貫禄そのもの。じっくり何回も聴くと細かな音が曲に息づいているのが分かる。「SOULS ALIKE」「DECADE S ROCK LIVE」「SLIPSTREAM」「DIG IN DEEP」「JUST LIKE THAT…」の4枚。

ボニーレイットのライブDVDは、「LIVE AT MONTREWUX 1977」「ROAD TESTED 1995」「DCADES ROCK LIVE 2006」。バンドの良さ、グラミー賞受賞以降の勢いなど、「ROAD TESTED」がこの中では一番か。

人脈の広さ、ブルースなどルーツ音楽との関わりの深さから客演することも多く、「THE NEVILLE BROTHERS TELL IT LIKE IS」「LIGHTNING IN A BOTTLE」「A TRIBUTE TO STEVIE RAY VAGHAN」などでミュージシャンや曲に敬意を払い真摯にプレイしていることが画面から伝わってくる。多くの偉大なプレーヤーから慕われている所以か…と。

最近、ブルース・スプリングスティーンが自身のステージのライブを公開した1979年の「NO NUKES」コンサートでも、ボニー・レイットジャクソン・ブラウンやグラハム・ナッシュとともにコンサートを立ち上げ、2曲を披露している。今は入手困難なCDかもしれないが、ジェイムス・テイラーカーリー・サイモン、ジョン・ホール、トム・ペティ&ザ・ハートブレーカーズ、CSNなど豪華絢爛。

最近では、マーク・ノップラーが2019年にニューヨークのマジソン・スクエアガーデンでのライブCD(2枚組み)で1曲共演している。いつもの声、うまさはそのまま。

ボニーレ・イット コレクション

最新作は「JUST LIKE THAT…」で2022年作。6年ぶり、70歳を超えての新作。ドラムとベースがどっしりとして全体的にゆったりしながらもバンド全体のうねりがあり、曲もバラエティに富み、何回となく聴くたびに惹かれていく。最初はピンとこなかった曲が聴きこむうちに粒ぞろいのアルバムだなと感じるようになってくる。

年齢からいって枯れた感じのアルバムなのかと思いきや、エネルギーに満ちて若々しい。

ボニー・レイット「JUST LIKE THAT…」