デボラ・ホプキンス:文 ハドリー・フーパー:絵「ものがたりがうまれるとき」(評論社 2023)
子どもに〈書いてみようかな〉と刺激を与える絵本。
他の人が書いた物語ではなく、自分自身の物語を書いてみたらどう?と
うまく誘いかけています。冬の静かな日に、机の上の白い紙に向かい、なかなか
お話が思い浮かばないけれど、何かをじっと観察するなど、思いを凝らしてみると
何かが問いかけ、生まれてくるきっかけができるかも…。
ひとことひとこと言葉を紡いでいく作業は、気が遠くなるほどだけれど、
何かが待っている。そんな気にさせる魅力があります。
絵もイメージ豊かに子どもの心持ちを表現し、タイトルをより意味深いものにしています。
お話では、小鳥が庭の餌の種を一粒ずつついばんでいくようすを観察するようすを
物語を生む作業に重ねています。おまけには「君だけの物語を書く練習」の
ヒントもついています。