富安陽子・作 山村浩二・絵「ヌラリヒョン・パパにまかせなさい オソロシ山のながれ星」(理論社 2022)
大好きな富安陽子さんの作品。「妖怪一家九十九さん」シリーズのヌラリヒョン・パパのお仕事物語。この「ヌラリヒョン・パパにまかせなさい」もシリーズ化しているのは知らず、読むのはこれが初めて。
妖怪と人間が暮らすドロロン村の困りごとを解決するのがヌラリヒョン・パパのお仕事。
物語の題材は昔風だけれど、現代にも通じるお話。住む人が少ない地域の忘れられていく文化や伝統をうまく取り入れ、読み手の子どもたちの心に〈大切な何か〉をさりげなく伝えています。それも、かつての村人が大切にしてきたこと、守ってきたことが地域の安全や豊作に結びついていたことなど…元々の理由が忘れられたまま〈あれをしてはダメ、立ち入り禁止〉など、伝え守っていくことの難しさも含め、読んで楽しいお話。