読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

川端誠「落語絵本 ばけものづかい」(クレヨンハウス 1994)

作者最初の落語絵本。「絵本作家の百聞百見」(子どもの未来社)に、この作品が生まれた経過が書いてあります。

元々、「絵本は児童文学よりもはるかに落語に近い」と作者は言っていたそうで(何しろ同書には落語のCDを650枚ほど持っているとも書いています)、この「ばけものづかい」が好評だったこともあり、15作というシリーズにつながったとも書いています。

五台目小さん師匠の「ばけものづかい」をアレンジし、絵本という手法の強みを活かして登場する化け物を代えたり、言葉ではなく見て判るオチにしたり…右から左に話が変わっていく絵本の特徴を取り入れた場面展開は、文と絵がテンポ良く語り口のように進んでいくので、子どもに行ける要素がいっぱい。

怖くない、そして話がおもしろいお化けものとして子どもの読み物としては最上かと。

最初の2ページとオチに続く裏表紙の絵がまた楽しい。

「落語絵本 ばけものづかい」