元は「柳家小三治・落語〈粗忽長屋〉より」。
表紙をめくると小三治師匠による「長屋住まいの庶民の暮らし」のミニ解説。
話の手始めに、話のカギとなるそそっかしい粗忽者の説明を付け、浅草・浅草寺界隈の賑わいをくっきりとした木版画で描き、行き倒れを見た八っぁんのとんでもないそこつ・そしっかしさをテンポ良く描いています。
一気に読んで、そのそそっしかしさと行き倒れと勘違いされる熊さんまでが加わってしまう二重のそこつさ…それ故に起きてしまう現実とのギャップにとまどう熊さんの心持ち…オチを知っていても繰り返しおもしろさを楽しめます。
考えることなく、話の展開のでたらめさを味わえます。