六車由美「介護民俗学へようこそ!」(新潮社 2015)
サブタイトルは。「〈すまいるほーむ〉の物語」。
「障害をしゃべろう 上巻」(青土社)で著者のことを知り、前著「驚きの介護民俗学」を飛ばして続編的な本書にたどり着きました。
「聞き書き」を始めた前職の大規模介護施設から現在のディサービスに移った経緯や実際に行った利用者からの聞き書きした具体例、スタッフが果たしている大切な役割など、著者が執筆していた時のレポート集になっていて、「介護民俗学」とは何かという問いかけと介護の現場でどう活かせるのか、利用者が語る自分の物語が利用している他の人たちにも共有されることで、「場」に変化が起きることなど…整理できないけれど新鮮な驚きと刺激を受けました。
これって、映画「この世界の片隅に」の主人公・すずさんのような人たちを探してつなげる「あちこちのすずさん」にも通じることかも…と感じます。また、一人ひとりの小さな物語を記録して保存し、多くの人に感じてもらうことを考えると、図書館が拾い集めてもいいのではないかとも。
「介護民俗学へようこそ!」