アドリア・シオドア:文 エリン・K・ロビンソン:絵 さくまゆみこ:訳「わたしと あなたの ものがたり」(光村教育図書 2022)
表紙の〈さくまゆみこ訳〉を見て読んだ作品。
経済的に恵まれ、教養・高学歴の両親に囲まれていると思われる黒人の少女の物語。
白人ばかりの教室に茶色い肌の子どもは私1人。
奴隷制度があった時代の具体的な生活や人身売買、公民権運動が起きた時代のデモ行進やデモ隊への虐待…学ぶことは好きだし、勉強できることはありがたいけれど、教室げは私は1人ぼっち、そんな中で〈真実を知ることにはどこか恥ずかしさを感じる自分がいる〉これってけっこうキツい。
これが今の時代の物語だと思うと、アメリカ社会の根深い何かが伝わってきます。
それでも祖母、母親から続く血の中で、母親から伝えられる「望めば何にでもなれる、そんな自分の姿」が見えるといいなというメッセージが読み手の子どもに届きます。
ページをめくるたびに主人公の表情、とりわけ目の力が印象的。
〈あとがき〉は親世代が読んで、子どもたちに伝えてあげたいもの。