ドン・フリーマン「ターちゃんとペリカン」(ほるぷ出版 1975)
よく練られたお話でお気に入り。
毎年ターちゃん家族は、夏休みにいつもの浜辺をキャンピングカーで訪れます。
そこには顔見知りになった1羽のペリカンが去年と同じ場所の杭の上にとまっています。
ターちゃんは、今年はじめて魚釣りに挑戦。長靴を脱いでターちゃんはえさ探し、ペリカンのみごとな魚とりを見たり…満潮になって流されていく長靴の行方やものを言わないペリカンとターちゃんとのやりとりは、子どもにとって不思議とは思わずすんなりと受け入れられるウマい作りです。
作者がペリカンを選んだ理由のなるほど感や満足した一日を過ごしたターちゃんが夕食時に両親に話すひとときがステキです。幸せな少年時代を描くことは今でも大事なことだと教えられる作品。