石田衣良「ペットショップ無残」(文藝春秋 2022)
1998年の第1作から24年を経てシリーズ18作目。時代と社会の片隅を映し、若い世代が背負う・抱える生きづらさや問題提起を感じることができるシリーズとして読んでいる。
トラブルシューターのマコトの変化は少ないが、最近の作品ではGボーイズのキング・タカシと怪物的ハッカー・ゼロワンが少し丸くなったように感じる。
この3人の組み合わせは鉄板のおもしろさがあり、3人がカチッとはまった時の事件解決に向かっていくスピード感がこのシリーズの魅力。
4話目でタイトルとなった物語では以前の作品で登場した少年が大事な役割を果たしているが、こんな風に以前の作品で登場した人たちが〈その後〉として関わって来るのは長いシリーズとして楽しみの1つ。
もう1人、何らかの個性と能力のある女性がこのメンバーに入らないのか…ちょっとした期待がある。