読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

マイ・シューヴァル ペール・ヴァールー「刑事マルティン・ベック 消えた消防車」(角川文庫 2018)

シリーズ5作目。クセがあってアクの強い捜査官たちの会話や家族・家庭のありようが物語の中に自然に取り込まれているのが大きな魅力になっている。作品が発表された1968年(昭和43年)頃のスウェーデンの世相が色濃く反映されていると推測するが、今の日本とそんなに違和感なく読める。読んでいる自身が当時も今も両方体験しているから読みながら頭の中で交通整理をしているからなのかな…とも思うが。

前作「笑う警官」で活躍したマルメ警察署のモーンソンが、ここでもいい味を出し、タイトルに絡んでいるところが作品の締まりどころ。

「消えた消防車」