なかがわちひろ・作「ハンカチともだち」(アリス館 2019)
はるちゃんは、お母さんに言われて学校に行く前に引き出しからハンカチを取り出しました。そのハンカチにはベッドで寝ている小人がいます。じっと見ていると寝返りをうちます。ちょっとビックリ。
お話は最初から不思議ですが、それが当たり前のようにごく自然にお話は進んで行きます。
学校でもはるちゃんはハンカチの小人が気になって見るたびに、小人は目を覚ましてとことこ歩き出し…。小人ははるちゃんが興味を持つことに同じように興味をもつようで、カマキリの卵を見ていると小人も虫眼鏡で何かを見ているみたい。
物語は、学校生活のいろいろな場面が続きますが、いつもひとりでいるミヨンちゃんと話をしてみたいはるちゃんの気持ちの揺れ動きが中心になっていきます。ちょっとした騒ぎが引き金になり、何も語らない小人が持っているささやかな力がはるちゃんとミヨンちゃんを結びつけますが、それまでのまどろっこしさが物語のポイント。
表紙の絵がどうしてこの絵になっているのかが最後まで読むと分かります。