読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

斉藤洋・作 ももろ・絵「キュリオと月の女王」(講談社 2023)

白いくま・しろくまのベベが人間の子ども・キュリオが会いたいという月の女王を探しに行く旅物語り。

キュリオは突拍子もないことをベベに言い出す子ども。ベベはキュリオの疑問や突拍子さにうまく答えるのができず、いつも困っています、でもそれがイヤではありません。

キュリオは、今回、月の女王に会いたいとベベに頼み込んできました。何だかんだと言いながら、ベベはキュリオの思いを叶えさせたいと思いつつ…うまく切り抜けるために知恵をめぐらせますが、ベベの思いとは違う道筋をたどります。

物語は、あるはずもないものが現実にあるのだから仕方ない、見えているものは現実として受け入れるほかない、キュリオの素朴な言葉をそのまま目の前にある真実…そんな風に受け止めると物語もすなおに読めます。

ほとんどがベベの語りで進みますが、ベベはキュリオといると体験するふしぎなできごとをけっこう楽しんでいるのが伝わり、読み手も一緒に楽しんでしまいます。

物語の最初にベベがキュリオの話に苦し紛れのウソとつきますが、最後に嘘から誠がk惚れ落ち…楽しめます。

ベベの独り言の言い回しも楽しめる要素。

「キュリオと月の女王」