読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

なかがわちひろ・作「おまじないつかい」(理論社 2007)

なかがわちひろさんの作品をまとめて読んでいます。

どのお話も次へ次へとページをめくりたくなるような子どもたちのおしゃべりと展開のおもしろさが抜群。

どしゃぶりの雨が晴れた次の日、遠足のバスの中で子どもたちが〈てるてるぼうず〉を作ってお祈りしたことを話しています。主人公の女の子・わたしがお母さんがシーツでてるてるぼうしを作ったことをみんなに話すと、みんなビックリ…。わたしのお母さんはみんなのお母さんとかなり違う、そこから楽しいお話がつながっていきます。

〈魔法使い〉とはひと味違う〈おまじない使〉を考え出した作者の想像力と遊び心が愉快で楽しい物語を生み出しました。

お母さんがわたしに教える〈おまじない〉の本質は自分も周りも幸せにすること…おまじないの輪が子どもたちに広がっていくとこんな楽しい終わりが待っている、それこそ〈おまじない〉の力を感じます。

表・裏表紙それぞれがお話の始まりのワクワクと終わりのハッピーエンドを再確認させています。

お話を読んだ後で、〈ちょっと違う〉ことを肯定すること、その方が楽しいんじゃないか思えたらいいな…と。そして、94ページもある物語を読んでいくと、子どもたちの会話を含めるとけっこうな文章の量になり、読む力もついてくるのかも…と。

「おまじないつかい」