読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

斉藤洋「まちのおばけずかんハイ!」(講談社 2022)

小学生に大人気シリーズで通常版よりも多い13話が収められ、お得感があります。

よくもまあ考えたと思えるほどにたくさんのお化けとお化けに出逢う子どもやおとなたちの反応や対処の仕方が何よりも楽しい。

斉藤洋さん特有の言葉遊びのような言い回しに引き込まれ、今の時代に合わせたお化けの事情もおもしろく、逃げ方・避け方・対処の仕方もあっけらかんとして、話の深みにはまってしまいそう。

ちょっと長いお話の「のっぺらぼう」では、小学生のてるき君がしっかりオリジナルの話を知っていて行動していたのに対して、大学生のみつひこさんはその話を知らずに行動し、最後は気絶してしまいます。そのことを、「大学生のみつひこさんは紀伊国坂の話が出てくる本を読んだことがなかったのでしょう。大学生にもなって、読書の習慣がないから、そういうことになるのです。まったくもって、なげかわしいことです。まず、おちつくこと、ふだんから読書をすること。このふたつがあれば、だいじょうぶ!」と書き、さりげなく楽しいお話、怖いお話も含め、いろいろな本を読んでごらんと勧めているのもムリが亡くていいな…と。

斉藤洋「まちのおばけずかんハイ!」