岸田衿子・作 堀内誠一・絵「いかだは ぴしゃぴしゃ」(福音館書店 1987)
かなり古い絵本だけれども、おもしろさと絵は今もそのまま通用します。
子ぐまがお弁当を持っていかだで川を下り、途中でたくさんの動物を乗せて海辺でお弁当をみんなで食べる…いかだに乗る条件はお弁当を持っていること、ページをめくるたびに動物が増え、その繰り返しながらいかだに乗っている動物たちのわくわく感と途中の景色の移り変わりなどがきらめくような明るくカラフルに描かれ、楽しさが伝わってきます。
海に着いたときの海の大きさや動物たちのお弁当を太陽と波がうれしそうに見ているシーンはやさしさに満ちています。
最後のページに動物たちのお楽しみが待っていますが、お楽しみは最初のページからそっと描かれていたことに気づくかどうか…。
誰かが手渡さないと今の子どもたちには残念ながら届かないかも。