読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

斉藤洋・作 いとうあつき・絵「こえてくる者たち 翔の四季」(講談社 2022)

シリーズの夏・秋を過ぎて冬を迎える3作目。タイトルの「こえてくる者たち」の意味を考えてしまう作品。

見えないものが見えてしまう涼、聞こえない声が聞こえてしまう翔は、普通に考えれば「普通の人を越えて・超えてしまった人」なのかと思うけれど、一方では自分にはどうすることもできなく、〈かってにやってくる者〉を受け入れてしまう2人なのかも。

今作では、2人の側に転校してきた女の子・杏が新たな新たな役割を果たし、彼女が飼っている不思議な能力があるハムスターも含めて、涼や翔が受動的なの力だとすれば、杏とハムスターは自ら動く能動的な力…次回の最終作でそれらの力が合わさって少しは劇的なことが起きるかも。

このシリーズは、不思議なできごと、不思議な世界があって当たり前で、その日常で起きる〈やってくる悪意〉から大切な人を守る守る物語とも読めます。

 

「こえてくる者たち」