直島翔「転がる検事に苔むさず」(小学館 2021)
著者2作目の「恋する検事はわきまえない」(2022)を先に読み、おもしろかったのでの最初のこの作品にたどり着く。
この作品の肝となっている久我検事が置かれている状況は、2作目のプロローグとエピローグにつながり、さらりと触れた事件の真相も2作目で明かされる。
2人の性格が全く違う若い女性検事と男性巡査の出会いも2作目では歯がゆさを覚えながらもいい雰囲気になり、次作への期待が大。
メインの事件も2冊に共通する急転直下の解決ストーリーにスピード感と驚きがあって楽しめる。
「気概」を全面に出しながら、押しつけがましくない物語。