高橋久美子:作 高山裕子:絵「あしたが きらいな うさぎ」(マイクロマガジン社 2020)
作者2人がきっちり打ち合わせをして作った絵本。ひつじのように毛がもじゃもじゃのウサギ:ウールは、お父さん・お母さんがそのことを誉めてくれますが、友だちにからかわれ、イヤでしかたありません。明日が来なければいいのに…。
子どもたちには理由はどうあれ、イヤなことが待っている明日が来なければいいのにということがけっこうあります。ちょっとしたことでも本人にとってみれば大変なこと。
ウールの悩みと何とか朝が来ないようにあれこれすること、そして魔法のようなことが起きる瞬間…お話の展開と現代の子どもや親がハマりそうな絵が魅力。
もう一つ、もじゃもじゃのウールとお父さん・お母さんとはちっとも似ていませんが、それでも親子、お父さん・お母さんはウールを愛し、ウールも両親から愛されていることを十分感じています。いろいろな家族があって、見た目の違いなんてどうでもいい…子どもたちはこの作品をじっくり見て読むことで感覚的に理解するじゃないかと思います。