読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

堂場舜一「ボーダーズ」(集英社文庫 2021)

文庫書き下ろしの新シリーズ第1作。「一つの部署では対応しきれない境界線上、あるいは複雑な事件が起きた時に捜査に当たる…SCU、特殊事件対策班」の活躍を描いた物語。特殊な能力を持った5人がそれぞれの能力を発揮して事件の真相に迫る、その経過がとてもおもしろい。

銀行での刺殺、犯人立てこもり事件と放火事件、一見つながりのないできごとが警察そのものを揺るがすほどの問題につながっていく…スケールが大きく、断片がつながっていくさまにも引き込まれる。

物語の進行役は、1ヶ月前に捜査一課からSCUに異動してきた八神。本人は左遷と感じているが、その実、八神本人が気づいていない特殊能力が遺憾なく発揮され、事件の真相に近づいていく…。まとめ役のキャップを除く3人の能力も明かされ、それぞれのキャラウターも魅力。

次作以降、誰がどんな風に物語を進行させていくのか楽しみ。

堂場舜一「ボーダーズ」