小手毬るい「ごはん食べにおいでよ」(講談社 2022)
著者が好きな題材で、好きなこと、好きなものをふんだんに取り入れ、いたるところに散りばめた物語か…と。
「開店の日はりんごの木の下で」から始まり、後は曜日に絡めた章立てで物語が進んでいきます。この最初の章がうまく頭の中で整理できず、ちょっと手こずりましたが、いろいろなことが最初の章につながり、主人公の夢ややりたいことが花開くことに気づき、うまいなと感じます。
好きな作家や食に対する考え方、家族や環境など多様性を重んじる著者ならではの物語が展開していきます。自身の未来、もっと大きな夜会の未来がどうなるのかをあれこれ思い浮かべる中学生の感覚にどうぞ…というところ。野菜料理が好きな子どもには楽しみがいっぱい…レシピのおまけつき。