読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

野地秩嘉「高倉健 沈黙の演技」(プレジデント社 2022)

唯一無二の映画スター・高倉健の演技を数多くの関係者による証言、その証言を引き出した著者の力量によって、タイトルの〈沈黙の演技〉が何なのかを明らかにしています。何も言うことなしの読んで楽しめる作品。

個人的に面白かったのは、「映画の演技とは反応だ」という章があり、「高倉健、降旗監督のふたりとも、映画の演技とは反応だと言っている」と書いている文と、〈あとがき〉の中で、「女優ののんさんは相手のセリフを聞いている時、目を徐々に見開いていく。これは天才の演技だと思う。高倉健の演技にいちばん似ているのは、のんさんだ」と書いている文がつながっているところ。

何としても〈女優・のん〉に触れたかった…そう感じた一文。

高倉健 沈黙の演技」