読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

堀直子「わたしたちの歌をうたって」(文研出版 2022)

短歌をテーマにしているようなので手を出した作品。

実際は、子どもが抱えている問題や辛さをどう理解するか…とりわけやっかいな家族との関わりがカギになっていた。

母親が再婚し、父親となった人との距離や赤ちゃんが生まれて疎外されていると感じる女の子と認知症のおばあちゃんと仲よしで、両親から別々の評価を与えられ、手前勝手な姉の分も家事をするはめになっている主人公の女の子がお互いを知ることで自分自身の揺れを軌道修正して物語…かな。

タイトルとテーマは最後の場面でキラキラと輝く仕組み。文中、「短歌っていうのは…心の動きのほうに重点をいくっていうか、自分がおかれた状況とか感情を、ていねいによみこんでいう…ストーリー」という言葉があり、小学生に響く言葉。

それと、家族が押しかかってくる重圧は、見かけでは判らないし、軽い・重いも本人にとってどうなのかなので…やっかい。

「わたしたちの歌をうたって」