読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

福田隆浩「たぶん みんなは 知らないこと」(KADOKAWA 2022)

読んでみてタイトルの良さに気づきます。

〈かなで特別支援学校〉に通う5年生の女の子・すずの成長を切り取って描いた物語。重度の知的障がいがあるすすは話すことができないし、体も自由に動かすことはできません。でも、学校や家庭で家族や教師、友だちに支えられわずかずつですができることが増え、自信もついていきます。

そんな姿をすずの心の声や兄のブログ、学校と家庭をつなぐ通信、交流をしているみのり小学校の学級通信、大事な関わりを持つお婆さんの言葉などでていねいに綴っています。すずの成長がまわりからどう見えているのか、すずの気持ちを表しているかのよう。

福田隆浩「たぶん みんなは知らないこと」