読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

元村有希子「カガク力を強くする!」(岩波ジュニア新書 2019)

元村有希子「科学のトリセツ」を読み、そのおもしろさに感化され、著者の書いたものを遡って読むことに…。ますは手始めに「カガク力を強くする!」。

岩波ジュニア新書なので、中学生くらいから手に取るのだろうか。でも、これはおとなが読んだ方が〈カガク力〉に目覚めるように思えてしまう。

6つの章に分け、「科学に囲まれた暮らし」の現実を広く紹介し、科学の成果を果実としてむさぼるだけではなく、「適切に欲しい情報を選び出すための最低限の常識と、筋道立てて考える力」を育てるためのガイドをしてくれています。

全体と読むと、科学の守備範囲の広さ、社会で起きているさまざまなできごとを科学の視点で捉える意識、そして最終章で誘いかける「カガク力が身につく五つのコツ」。

本の最後の言葉が「はじめに」につながり、ぐるっと一回りして原点を再確認する終わり方…〈考える旅〉をした気分になれます。

元村有希子「カガク力を強くする!」