読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

富安陽子・文 降矢なな・絵「まゆとブカブカブー」(福音館書店 2001)

「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズの1冊ですが、月刊絵本「こどものとも」50周年記念出版の限定版なので、ハードカバーではあまり知られていないかも。

雨が静かに降り続く日、みゅはうれしくなり、やまんば母さんに言って散歩に出かけます。お母さんは、「水たまりを見つけたら、できるだけ泥はねが上がるように飛び込むんだよ」の一言。まゆはその言葉どおり、泥水に飛び込み、びしょびしょぐちゃぐちゃのドロドロに…。これがやまんば母さんとまゆのすごいところ。子どもたちは、降矢なんさんの泥んこまゆを見て引き込まれてしまいます。

ここまでがお話のつかみ。物語はまゆが出会う動物たちが口々に言う〈赤いぼうしのブカブカぶー〉の恐ろしさにまゆの好奇心がむくむくわいていくところ。

とても楽しい結末が待っていますが、まゆにいつもついているキツネが今回は、早々とお母さんが作るお酒らしきもので気持ちよくなり、お話には参加していません。ちょっと残念。

「まゆとブカブカブー」