読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

佐川光晴「猫にならって」(実業之日本社 2023)

猫のけなげな出産・育児が物語の進行役を務めるミカズに生きる気力を与え、そのことが回り回って幾人もの人生の岐路に猫が現れ、ミカズとその源となる猫が羅針盤のように行き先を助言してくれる…まわりくどくいうとそんな印象の連作物語。

どの物語も最後に灯があるような希望を持たせているのが何ともいい。

「猫にならって」