読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

「アンソロジー ビール」(PARCO出版 2014)

一つのテーマでいろいろな作家の文に出会えるので、アンソロジーは楽しい。特に、食べ物・飲み物は、その人のクセのような味が出てくるのでおもしろがって読める。

トップバッターに東海林さだおさんを据えたのがイイ!ビールと言えば、東海林さだおさんか椎名誠さん…2人ともビールを飲む場面はたくさん書いていて、グビグビ感がストレートに伝わってくる。

ビールは日本酒ほど面倒くささがないので、各人のエッセイも肩がこらず、こちらもリラックスしながら読める。後味が残っているのは、川上弘美「妻に似ている」、山口瞳「炎天のビール」、平松洋子「もうしわけない味」、辰巳浜子「ビールのおつまみ」、田中小実昌「ビールの泡」、遠藤周作「しずかなる決闘」…どれも2~3ページの短さ。ビールのエッセイはこれくらいでいいと思う。

41編あるので、お気に入りが必ず見つかる…ような気がする。これもアンソロジーならではのこと。

「アンソロジー ビール」