読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

高橋源一郎「居場所がないのがつらいです」(毎日新聞出版 2022)

著者が毎日新聞の人生相談コーナーで、複数回答者の1人として担当していることを初めて知りました。

悩みごとを相談したいばかりではなく、誰かに話したい、誰かに聞いて欲しい、自分の考えを訴えたいという人もけっこう混ざっているように思いますが、この本全体は、サブタイトルの「みんなのなやみ ぼくのこたえ」が表しているように、相談者の手紙を読み、自分のこととして取り込み、自分ならの考えや思いを相談者に手紙で伝える…そうな印象を受けました。回答には感情も入るので、疲れる仕事なんだろうな…誰もがやりたいと思う仕事ではない、そう思います。

人が抱え込む悩みの奥深さと多様さと出口につなげようとする著者の〈言葉〉の強さや温かさが心に残ります。

高橋源一郎「居場所がないのがつらいです」