読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

岡本太郎/撮影 岡本敏子/編「岡本太郎の沖縄」(NHK出版 2000)

「おいしい沖縄」所収の岡本太郎「沖縄の肌ざわり(抄)」の元になっている写真集。写真は、1959年11月から12月にかけての10日間に沖縄の各地で撮影。

当時の沖縄は米軍占領下。戦後まだ14年目の沖縄各地(糸満・金武・那覇・読谷・コザ、石垣島竹富島、久高島)で、岡本太郎が「全身、全存在で対象にぶつかり、肉体のうちに取り込んでしまう…生きている岡本太郎という”いのち”そのものが、ひたと抱き合い、一体となった〈沖縄〉」を見た写真集。(序文から)

雑踏、市場、神聖な場所、芝居小屋であったり、子どもから老人まで、特に年を召した女性たちをたくさん撮っている。沖縄は女性たちが輝き、エネルギーを持つ島だと言わんばかり。

岡本太郎の沖縄」

「あけぼの劇場での乙女劇団」と「那覇劇場でのときわ座」の写真もある。

登川誠仁/著「登川誠仁自伝 オキナワをうたう」(新潮社)に、「沖縄の芝居は…〈松・竹・梅〉の三劇団から始まり…1947年に三劇団が官の直営を解かれた後、次々と新しい動きが始まり…。例えば若い女性ばかりをそろえた乙姫劇団は49年に民政府の認可を受けています。…真喜志康忠さんのときわ座が50年…」とある。

登川誠仁氏は、48年頃に板良敷朝賢という芝居の地方に弟子入りし、松劇団の地方を務めます。

写真は、その当時の芝居小屋の雰囲気を伝え、登川誠仁氏が務めた地方の雰囲気が感じられる。

登川誠仁自伝 オキナワをうたう」