読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

川端誠「絵本作家の百聞百見」(子どもの未来社 2017)

「落語絵本」を読む下準備のためにこのエッセイ集を読み始めたが、懐かしい人の名前を発見。

「食べ物のこと」という章の「旅と食べ物」という文の中に、〈北見の本屋の相澤さん〉に触れている箇所がある。講演会に呼ばれ、相澤さんと行ったラーメン屋の塩ラーメンが美味かったこと、相澤さんはなかなかの食通で、夜に連れて行ってくれた店も良かったことを書いている。本の中では、全国あちこちで味わい、気に入った食べ物を挙げているが、個人名を記しているのは相澤さんのみ、よほど記憶に残ったのだろうと思う。

相澤圀夫さんは、管内で有名な書店の書店員で、図書館の職員なら知らない人はいなかったほどの有名人。数多くの児童文学者や絵本作家を北見を中心にしながら管内の市町村に招く・つなぐというキーパーソンでした。相澤さんがいなかったら管内の図書館や子どもの文化は寂しい限りだったと思う。

手作り絵本美術館やアマチュア劇団での活動でもその力はとてつもなく大きかった…ひょうひょうとしながら存在感はたっぷり。

作家のエッセイに見知った人が思いがけなく、それも好意的に書いてあると素直に嬉しい。

「絵本作家の百聞百見」