読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

マイ・シューヴァル ペール・ヴァールー「警官殺し」(角川書店 1974)

思い立って読み直し。50年近く前の作品。

当時のスウェーデンの社会情勢、警察組織が嫌われていた存在だったことなどを背景にした警察小説。

相棒と呼ぶべきマルティン・ベックとコルベリという2人の捜査官がコンビを組む最後の作品。仕事に対する誇りや信頼、友情、苦悩、家族…いろいろな心情が語られ、事件を解決していく過程を楽しむ作品。

物語の発端が物語の最後ときちんと結びつく見事さや容疑者とされる人間たちのクセの強さもおもしろさの大事なピース。

推理よりも容疑者や犯罪者と向き合うマルティン・ベックやベックと気の合う警察官たちの個性を楽しむシリーズか…と。

マイ・シューヴァル ペール・ヴァールー「警官殺し」