読み・聴き・書きクケコ

本と音楽の雑記帳

宮部みゆき「〈完本〉初ものがたり」(PHP文芸文庫 2013)

ずいぶん前に「初ものがたり」を読み、当時は続編が出るものと思いつつ、そのまま忘れていた作品。最近、短編1話を加えた「愛蔵版」とその後短編3話を追加した「完本版」の存在を知り、図書館から借りて読みました。

「初もの」を題材とした〈回向院の親分・茂七〉の捕物帖として読むなら十分満足。文庫版でおまけがたっぷり入った特別サービス品。楽しめました。

物語にいい味を出している稲荷寿司屋の親父の正体が中途半端で不思議な能力を持つ日道少年のその後が絶えているのは残念だけれど、「初もの」で続けるのは難しかったのかも…。

岡っ引きの茂七親分から政五郎、千吉へと続く系譜は、今読んでいる「きたきた捕物帖 二」につながっているので、うれしい限り。「

宮部みゆき「〈完本〉初ものがたり」